貯水タンクは旱魃
採卵と違って移植に痛い用事はなにもない。
私が拘ってたのは、手術台にあがって長いと足が冷えて辛いので
靴下履いておかなくっちゃって事くらいか。
まず、移植にはまず前もって大量の水を飲んでおく必要がある。
おしっこで子宮を圧迫して寝かし、そこにそーっと受精卵を戻すのだ。
お家からお水を400くらい飲んで出た。
しかし到着した私の顔に看護師さんが、余裕を見て取ったか
「うーんっと、もうちょっと飲んでみて。紙コップ4杯くらい」と仰る。
そう?もうちょっとおしっこしたいし、良い頃合だと思うんだけどなあ、と
言う事聞かないで3杯に抑えた。
で、手術着に着替える頃には、恐らく問題ないと思われる程度
の尿意になり、靴下も履き、準備万端手術台に上がる。
しかしエコーで膀胱を確認すると
「あれー?まだまだですよ~これじゃ出来ない。子宮倒れていません」と。
「え!そうなんですか?尿意はかなりあるんですが・・・」
「いやいや~まだまだ貯まりますよ~」と
もうお水は膀胱に向かっているはずだから、追加して飲む必要はない。
ただひたすら流れてくるのを待てと。
私はおしっこがなかなか貯まらない人なのだそうだ。
実はこっそり一杯はしょってるしな。ああ、ごめんなさい!
自分勝手な素人判断に後悔だ!
出来れば追っかけもう一杯飲みたいが、今更そんなこと言えない・・・
だいたい普段あまり水分摂らない方なので、がぶ飲みは辛いのですよ。
買い付けの時はおしっこってかなりの問題になるので
脱水を気にしながらもお水は極力飲まないし、おしっこ出来る
チャンスにはこまめにおしっこをする。
それが習慣化してるのか、日本での外出もわりとそんな感じなの
で私の膀胱は思いのほか小さいのかもしれないね。
下戸だしね。
酒飲みのあのビールジョッキの量ももれなく膀胱へ行くんだもんなー
あんな事ぜんぜんしないのだもの。
後続の移植されるお客さんも待っているだろう。
何度もエコーを受け、うーん後15分、うーむ後10分、今度こそだ後10分と、待ちに待ってやっと、やっと子宮が倒れた!
朝おしっこの夢ばかりみる、あのいっぱいいっぱいなくらいが
子宮をも倒すタンク容量です。
目が覚めた時、あまりの尿意で立ち上がれないかも、と思う
あの位ね。
やっとおしっこOKが出て、にわかに活気付く手術室。
・・・あ、あたし靴下を履いてない!