小事争論 こじ

アジア服・南国よろず屋ままかのボス。まだときどきちゃぶ台をひっくり返したりするけどだいぶ穏かになりました。

考えて感じて考えて感じて Spice of Life

私がままかを始めた頃18年位前かね。

ベトナムで日本語教師をしてる友達が、技能実習生を教えていた。当時有名な起業家が彼らを買い取るみたいにして極寒の避暑地にある建築現場に連れて行ってたけど、あまりの過酷さに多くの実習生が逃げ出した。彼らはこっそり公園で寝て、日雇いの仕事に出かけ、毎日1個のカップラーメンでたくさんの貯金をした。やがて故郷に旅行代理店やパソコンショップをオープンし日本人と結婚。えげつないとかいう人もいたけど、私はよくやった!しかなかったです。あの頃から日本はこんな感じ。

 

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当時なら泥水舐めてもお金稼げればという人が、数多くいたかも知れない。でも今の日本ではリターンがそれ程大きいと思えない。

「とにかく働ける人が減っていくのだから来てほしいが10円でも安く雇いたい」といったところだろう。


外国人雇用は「学ばせてやっている代わりに安く雇える」といったものでも「言葉が出来ないのを大目に見る分安く雇ってやる」ものでもない。契約のある対等な関係です。それを経営者が腹から理解しなければ、まず社会の中で外国人労働者のイメージレベルがあがっていかないんです。

まずは、きちんとした雇用契約に基づいた安全と給与の確保。それがあってこそ彼らへの人権意識は高まっていく。帯同の家族は熱が出れば病院へ、子どもたちは公立学校へ安心して通えるようになる。そして彼らは日本で有力な消費者にもなるのです。

しかし今のままだと日常で軋轢や差別が起きてしまうだろうね。


地方都市ではすでに定着し始めて、うまく機能しているところもある。そういう場所では外国人から明るい気持ちでサービスを受けられる。どうやってコミュニケーションをとっているのか、真似したいモデルケースだなぁといつも思ってみている。こういうのは、国にこうしてどうしてと言ったって目の前の事象には間に合わない。

目の前の外国人を支えるのは、関わりあう我々なのですよ。お上は、その我々を支えればいい。末端の顔が見える関係以外のところに問題を逃がすと、絶対ズレる。

 

さぁ大変。ゼロから学ばなくちゃならない意識改革。大きなレッテルで「外国人」を見るのではなく、目の前のこの人と穏やかに有意義に過ごそうと思うこと。互いの違いを面白がること。これは子どもたちの為に頑張らなくちゃですよ。

 

子どもの時から、いろんな人と知り合うことはとてもいい事で、「〇〇人」と聞いた時に、「あの子とおんなじだなぁ」って名前が浮かんだりすると、不安から生じる疎ましい気持ちはなくなると思う。本当に些細なことだけれど。

 

うちの子は6歳でこっちに来てすぐイスラムの学校に入ったんだけど、90%が褐色からブラックの肌色です。ぴっかぴかの可愛いチョコキッズがたくさん!南アジアからアラブ、アフリカの子どもたち。完全に黄色いうちの子は少数民族です。さてしかし子どもにとって重要なのは「僕に話しかけてくれる子」「えんぴつを拾ってくれた子」「背中をばんばん叩いてくる子」など、自分とどう関わって来るかということで、肌の色なんて気にしてる暇はないわけです。先生もインド、バングラデッシュあたりは、腹に響くような語気の荒い英語で、でもそんなのは生活と共に慣れていく。そこを離れた今もなお、肌の色を怖がって会話を避けたりはしません。むしろ得意です。

 

だから、肌の色なんてどうでもいいことだ!

というわけでは全然ない。

有色人種の定義を「自分も折り込みながら」デリカシーをもって理解していく。

考えたり、感じたり、考えたり、感じたりを繰り返していく。

 

いま日本で暮らしている子どもたちが、将来何処で誰と暮らしてもいいように、違いを認めて面白がりながら、考えて感じて考えて感じてをして欲しいなと思う。

いつの間にか、偶然スタートしたプチ留学の活動も、めっちゃ同じことです。「どうして人と違っていてはいけないの?」違いを面白がれない国でお互いの首を絞めている。その同調圧力をぶち切るには、思い切って一度ポーンと離れるのが一番いい。人の目を気にしないで自分と向き合う。他者と出会う。

そこから、誰かと生きていくために、考えて感じて考えて感じてがスタートするんですよ。

 

私ずっと在日問題をやってきているのでね、そういうのほんと夢だな。

長い長い在日との暮らしの中で、日本人は同化する事ばかりを求めてきた。個が違ったままマーブルの様に混じりあうことを避けてきた。どうして違うまま共に暮らせないのか。どうして同じでなければ不愉快なのか。

 

いろんな人をまるっと認めてしまえるしなやかさが、人生を豊かにする。

多様性は人生のスパイスです。とてもいい仕事をするって思ってます。