お母さん成りすました悪者
双子懐妊中も洗髪には苦労したが、それでもがんばって髪を伸ばしていた。
しかし予想外の事件によりお腹はだんだん大きくなってくるし、
双子は活発になるばかり、それより何より、やはり妊娠・出産・授乳
で見た目よりもずっと髪は痛んでいるらしく、いまやパーマがかからない。
たんぱく質が流出するとそういう事になるらしい。
ここらで一回リセットかな・・・
と、ばっさりいきました。
ショートです。襟足さみ~
「お子さん達、わからなくなっちゃうんじゃないですか?」って
担当の加藤さんが笑っていたが、いやいやうちの子は髪を結って
マスクをしても判らなかった事はないから、と私はぜんぜん心配
していなかった・・・んだけど。
お教室に向かう廊下に出ると、扉についた小さなガラス面から
彪が顔を覗かせていた。私を認めると顔を四角くして←泣きそう
手を振っている。ガラガラと戸を開けて彪と手を繋ぎ、さて凛は?
と探すとすぐ側にいたのだが・・・。先生にくっついて離れない。
ものすごい形相で私を見ている。先生はケラケラ笑って「ちょー
っと凛くん、良く見て~」と背中を押したが後ずさる。
あまりの拒絶に彪が不安になり、そーっと私を見上げて確認して
いた。「間違えちゃったのは、おれ?」って。
彪と手を繋いで歩く私と2mくらい距離を置いて、てくてく廊下を
付いてくる。いつもは廊下にある遊具が気になってなかなか玄関
まで辿り着かないのに、今日は自分のバギーを見つけると一目散
に走って飛び乗ろうとした。私が乗せてやろうとすると「いえ、
あのう、お構いなく・・・」おずおずと手を振りほどいた。
おーい、凛之助~
凛之助は3泊4日ばあちゃんちに行っただけで、実の父を完全に忘却
した前科がある。あの時は父を思い出すのに丸1日はかかったろうか。
なるべく側に寄らず、遠くや物陰から「誰?」と観察していた。
それが何かの拍子に現れた風景やら表情で「あ!」とわかったらしく、
「お父さ~ん」と急に抱きついてきたのであった。
家に着くとまさにその通りで、遠くから物陰から私を盗み見て
側に寄らないよう、目が合わないよう気をつけている・・・。
近くを通らなくてはならない時は足早に通過!閭玲
「きみきみ、ちょっとこっちへ来なさい」おでこを全開にして
「おらおら~おかあしゃんだよ~」と変顔をしてやった。
すると「あ!」と言う顔をして「おかあしゃーん、どこにいたの~」
とゴロゴロと甘えて来たのであった。
ふ~時間がかからなくて良かった。
その日はそれが新鮮な刺激だったのかいつも以上に母にくっつきっ子でした。
で、で、ところで、君が勘違いしてしまったのは、お母さんが
うーんと若返ってキレイになっちゃったからなのかな~?
それとも変な人に見えたからなのかな~?
母はせっかく恥を忍んで切り抜き持って行ったのに全然違う髪形に
なって帰って来たので・・・かなり不安なんですよ・・・輦。