親指姫の気持ち2
大股開きの足がカタカタと貧乏ゆすりしている。
大きな顔と丸いお腹はまるで童話に出てくるガマガエルだ。
「あなた薬の注意表示って読んだ事ある?」と
目の前に数々の薬のパンフレットを並べて見せた。
何を言いたいのか?責められているのはわかるのだが。
かいつまんで言うと
「妊娠中も授乳中もだいたいの薬は飲んで平気なのだが、
絶対大丈夫な薬を出せと言われるならばこの世にはない。
母乳に薬が移行するのは本当にわずかだと、
人の体のメカニズムを少し考えれば理解出来そうなものだが
考えもせずに簡単に大丈夫な薬なんて事を言うなんて
人として恥ずかしい。非常識」と言うようなことだが
私がかいつままないととっちらかって意味不明。
具合悪いのにその話約10分。
ふわーたすけて~
熱でフラフラ、机をひっぱたいて怒る事も出来ず、
小さな声で「子供が心配なので一応言葉を添えて受診して
るだけですが」と言ったら
「え?!聞こえない!」
「すみません喉が痛いので」
「え?!何言ってんのよ(苦笑)」
直径3cmくらいのデカイ字でカルテに喉痛と書いた。
「だからさ、素人は「授乳中です」とだけ言えば言いの」
「私は優しいから薬出してあげるけど、他の病院じゃ
追い出されるよ。恥ずかしいから変な言い方しないほうが
いいよ」と言われた。
つまり「大丈夫な薬」って言葉が気に入らなかったらしい。
やっと診察・・・と、ここでまたびっくり。
「はい、あーんして」私の喉を照らしたのは
非常時用のでっかい赤の懐中電灯說。
「はい、まっかっか。これと同じ色ね」とドンっと置いた。
しつこくつづく・・・