似てるね、似てないね。
病み上がりの双子に会いに、二十年来の友人が来た。
「全然似てない、がっかりした」と言われた。
一発で見分けた。さすがである。
私は思うんだが、双子を最初から似ているものと思い込んで
区別に難しかろうと言う期待があり、かつ双子と言う形態に
興味はあるものの個々の人間にはあまり興味はなく、まぁ
どちらがどちらでも構わないと思っている場合、
その人からは双子はそっくりに見える。
しかし、親だったり、保育園の先生だったり、近しい友人
だったりすると、これ見分けが付かないと不便なわけで、
まず出会いから完璧な見分けを目指して対峙する。
そうすると、なんて事はない、ちゃんと違う顔をして見える。
年子ってのは、1年と言う年齢差もあるのであまり間違えない
だろうが、すんごい似てる年子って双子以上だぞ。
でも向き合い方としては最初から見分けられて当然と思って
見てるので、差異を瞬時に見つけられるんじゃないだろうか。
しかも!だ、うちの双子は本当に似ていない。
友人が「なーんだがっかり」と言う以上にそっくり双子を期待
していたダーちゃんが誰よりもがっかりしている。
双子なのにそっくり写真をわざわざ探さなくてはならない。
見つけては携帯に収めている。
だから「そっくりね」と言われると嬉しそう。
よく見てない行きずりの人だからそう言うのにちょっと
そう?うふふ、と思うようだ。
逆に私なんぞはあまりにも良く会う人なのに「似てるわね~」っ
て言ってばかりで見分ける気もなさそうだとちょっと寂しい。
こんなに違う顔なのにもうちょっとよく見てよ・・と。
しかも!だ、うちの双子は性格も体格もずいぶん違う。
彼らとお友達になってくれようと思って出会ってくれれば
きっとすぐに見分けが付くはずだ。これはもう脅迫。
しかし!・・・・だ・・・雰囲気はそっくり。
病院で凛のカルテを前に彪を抱いて喋ってしまったり
湿疹の出てない方に薬を塗ってしまったり
しょっちゅう間違えているのは他でもない私です。
顔が似てるってわけじゃないのにやっぱり間違う。
雰囲気ってとっても不思議なものですねぇー
本人達は互いを間違うわけはないし、お互いは他者より更に
違う顔に見えてるはずなのだから、てんでピントがずれちゃって
慣れるまで困っちゃうんだろうなぁ。
似てるって事が面白くて素敵な事であるためには
自分が好きで、もう一方の事もとても好きでないと。
仲良くやってもらいたいもんである。
似てないんだけどね。