小事争論 こじ

アジア服・南国よろず屋ままかのボス。まだときどきちゃぶ台をひっくり返したりするけどだいぶ穏かになりました。

引き続き、闘う家族 F/ヌイさん

りんのすけ、骨折。

やっと口の中が治ったところに耳を疑う電話が・・・

「オクサン!リンノッケアクッシデンッ、トンパイホッピター!」ヌイさんから。

そうだそうだすでに登場しているこの「ヌイさん」ですが、会社から派遣されている運転手さんです。

我が家の場合、運転手さんなのにシッターさんとして活躍してる場面の方が多い気もするけど。アパートの公園で遊び回るヌイさんと子ども達・・・。

いえ、スクンビットの駐在さんではないので「運転手付きライフ!」なんてご身分ではないのですが、日本人が交通事故を起こすと何かと面倒なタイ。有無も言わせず運転手つきです。タイ人はとても気さくな国民だけれど実はかなりの階級社会で日本人の会社では日本人が親分。「日本人は日本人らしく」していないと、タイ人の方が戸惑うのだそうです。ばりばり屋台で飯も食う上村家ですが、タイ人社員の前ではやってはならないと注意されまるで駐在さんじゃないのに駐在さんの振る舞いを強要される。運転手さんもその一環のように思われてなりません。気分だけは駐在マダムで♪と楽しいばかりならいいけれど、運転手さんのオーバータイムにはチップが必要でこれは自腹。一応額も決まってます。そして運転手さんはお給料がとても安いのでチップはとても大事な収入源になるのです。うちは駐在さんじゃないからそれ程お給料がいいわけじゃなく駐在社員と同じ様に運転手さんを使ってしまうと家計に負担がかかるし、ヌイさんも男手ひとつで二人の娘を育てにゃならん。払う方も貰う方も真剣です。会社にはいろんな雇用形態の人がいるので現地採用の父たんに当たらなくてもよかったのにねー。ヌイさんにも同じ年の娘さんがいて転職後の初仕事と父たんと共通点が多く、また彼は某大手自動車会社の社長さんやら奥様にお仕えしたスゴ腕なうえに英語もある程度理解するので、慣れない父たんの助けになると人事の人が思ってくれたのかも知れません。でもヌイさんにしてみれば、手が掛るのに儲けが少ないと嘆いているのでは・・・と思わずにはいられない

そんなこんなで我が家にやってきたヌイさん。

子ども達はヌイさんが大好き。

日本語で「スズメバチ」って胸に書いたTシャツ着てるヌイさんがモカのお気に入り。

ヌイさんのこと一番好きな人誰か知ってる?僕だよ!とひょうのすけ。

「ヌイさん!」と運転中のヌイさんに無意味に呼びかけるりんのすけ。

実は、子ども達どころか私がもうヌイさんなしに生きていけないのだけれど。

その日もヌイさんはオフィス控えで時間に余裕があったので学校へお迎えに行ってくれていて私より先に事故を知ったのです。すぐに電話をくれ「えー!私すぐそっちに行きます」という私を制し「オクサンヤーパイマイ」私に何処へも行くなと言う彼←マイチャイマイチャイ。

直後学校から電話が来た時にはもう学校を出発しアパートへ向かって来ていました。

泣きべそのりんと、その他大勢がアパートメントで口々に報告を下さいましたが、まぁようは滑って転んだんですな。

担任の先生が介添えしてくれて、改めてその他大勢はヌイさんの運転で病院へ。

今、バンコクはデモまっ最中なので目的地へ向かうのも大変。で、そんな時でも日本人奥様なんてその辺ちっともわかってないから「え!そこ?!」みたいな我儘も言うでしょうが、運転手さんは嫌な顔ひとつせず的確な迂回をしてそこへ辿りつかねばなりません。日本人の運転手歴20年の若き熟練ヌイさん。バンコクの道は熟知しております。学校指定の病院までスイスイ。

緊急の窓口へ車を着けて「オクサントラサップ(電話)ナ!」と駐車場へ消えようとするヌイさんに「待って!」とプリペイドのチャージのやり方を教わる奥さん。こんな緊急時に奥さんはさっきの電話でチャージが切れてしまったのです。「オクサン1バーツ!」おい有料かよ!と思いきや、その1バーツでスクラッチを削った。現れたのは16桁の暗証番号。今見れば一目瞭然のそのレフィル。なのに大事な電話の最中に通話が切れた衝撃で「チャージが出来ない、チャージが出来ない」と慌ててしまっていた私。「じゃ、これ入力して。オクサン駐車場のハンコここに貰ってきてね」と去って行ったヌイさん。彼なしには何もかも出来なくなっていくわたし!バンコクで仕事していた時の自分とは違う自分に出会うわたし!←しつこいな

で、骨折。

骨折inバンコク!

後々聞いたところによると、靴下が滑って転んで手を着いたのだそう。その靴下は足裏にゴムがなかった。っと言うか、このゴム付きのスクールソックス、もう結構な年かさになってもゴムが付いててむしろなんでだろう?と思っていたのだ。チャットチャックに行った時に安かったのを多めに買い足したんだけどそれにはゴムがなく、その記憶も薄いくらいに危険とは思わなかったんだけれど・・・そう言えば家でもりんのすけは一回派手に転んでいた。タイは床が石か木が多いんだけどどっちもひどく滑るのだ。きっと多くの学校が床ツルツルなんでゴム付きなんでしょうね。ちなみに足の裏はグレーで統一されてます。だって床が石か木って足の裏真っ黒になるからね!

タイのスクールソックス

診察室でふとモカの顔を見ると、謎のブツブツ。帰って剥いたら体にも!水ぼうそうの発疹じゃなさそうだし手足口病とも違う気がするし・・・私の勝手な診立てでストロフルスとし、手持ちの薬で経過良好だけど、今夜の様子で病院だな~。現在上村家はクレジットカードの海外旅行保険ゆえなんとか日帰り入院になってくれないと全額負担

ちなみにりんのすけの2度の怪我はずべて学校で起きているので、学校が経過観察の通院も休み時間に行ってくれるし費用も面倒見てくれます。本人がおっちょこちょいだっただけなのに、申し訳ないやら大助かりやら。そして学校で怪我してよかったね!とか間違ったことを口走ってしまう母。別の名をオクサン。

担任の先生に「ひょう君は強いですね」って我が家で一番の弱体が言われたけれど、本当にこの喘息野郎だけとっても元気で生き生きしている。君はインターの方が性に合っているのかまだ異常ハイテンションが続いているだけなのか。そのうち10円ハゲが出てきそうな気がしている母。別の名を・・・もいいか。

で、その別の名のオクサンは、ついに発熱してます。病院で風邪を貰って来た模様。

骨折で発熱してる人とふたりで静かに過ごしていますが、ゆえ今日もお迎えには自動的にヌイさんが行ってくれるのです。本当に頼りになる、というかもう、実家の母と同じくらいの比重で我が家を負ってくれている。

なんか間違って100バーツくらいの飲み物とか買ってしまって「あー失敗した」と思うたび、この100バーツの価値について考えるのです。タイではお金で買えない大事なことをたくさん分けてもらうことが出来る。お金がなくちゃどうにもならないって事も多くはない。それでもお金がないとどうにもならない事もあるし、特にここバンコクは世界中の煩悩が集まる場所でお金があってもあっても邪魔にならない。私が躊躇するスターバックスのコーヒーを学生やOLが買えるのは何故?35バーツの最高旨いソムタム食ってるその手にスタバがある衝撃。経費とかコスパとか本当にお金って不思議だ。現地採用だと自分の価値がそのまま金額になって返ってくるから「対価」には敏感にならざるを得ない。いややった分跳ね返ってくればいいんですよ。それが普通にベスト。むしろ35バーツの最高旨いソムタムみたいに最高いい仕事するのに安く使われてる人って世の中にたくさんいるだろうと思うんだよね。うちの父たんもヌイさんも、然るべき価値があってそれに見合った生活をして欲しいと心から思うわけです。

そう。

がんばれ、とうたん。

オクサンはちょっと横になります。腰が痛い。