伝わることを疑わない
いま私はいくつかのミッションを抱えている。自分のやりたいことをある型に入れようとすると実はそういう事でもないんだよなって思ったりするけど、社会性を持たせるためにはしれっと型に入れてやらなくっちゃ人の目からは見えなかったりするからやってみている。しかしそれは私には大した問題じゃなく思え面倒臭い。本質を見失いそうになったり、余計なことを考えたり、まるでロングプレイングゲームみたいに進んでいる。そしていつも最後に思うのは、まぁ出来ることをやるだけだねと。そしてそれは誰からのお願いでもなければ、なんと、やらねばならないことではない!あれ?ミッションじゃないじゃまいか。
やらなくていいことをして悩んだりしている。
暇なんだな。
そうそう、昨日ね。学校さぼってかなりハードなお出掛けをしたので、ご褒美に子どもらをらあめん亭に連れてったんですけど、隣のテーブルにはゴルフ帰りのザ・日本のおじさんが7人迫力の空間。会話が聞こえちゃうからいろいろと思う所はあるけど、日本のおじさんもまぁ静かな生き物だよね。お互いにお行儀よく座ってご飯食べたよ。
宴もたけなわの頃合いで、仕切り屋さんが「もしもし、わたし○○ちゃん、うん、今からね、7人行くから。セブンピーポー。うん、あなたはわたしをやるのよ。あなたはわたしをやるの。わかった?はいはい、はいはーいオッケーバーイ!」
これ電話の向こうは、タイ人のマッサージ屋さんなんだけど、たぶんそんなに日本語上手じゃないだろうにリピーターをしっかり掴まえて電話で対応してえらいなぁと思う。またこの仕切り屋さん!のびのびとさぁすごいよね。身振り手振りは英語しゃべってる風でさ、伝わることを信じ切ってる。セブンピーポーとオッケーバーイしか英語入ってないのにちゃんと予約できた。しかも友達連れて行くのに誰にも遠慮なく自分の要求を押し通す。こういうのって意外と真似できないですよ。サバイバル能力。ちゃんとしてる人にこうは出来ない。いやちゃんとしてる人もきっとちゃんと出来るようになるんだけど、おじさんみたいな人は、ちゃんとしようとかって回路がなくてよりもっとコアな部分にダイレクトで強いシナプス持ってるよね。自信。そういうおじさんとタイはとっても相性が良くて、いっぱいいる気がする。ちゃんとしてなくても生きられるタイランド。お金さえあれば、ちゃんとしてる人カテゴリーに入れてもらえる。
英語圏で英語が話せないととてもつらい思いをするという記事を見るたびに、ひとことタイ語話すだけでちやほやしてくれるタイは楽でいいなと思う。それはタイ人的にはお金置いてってくれればいいだけなんで、なんにもこっちに期待とかしてないからなんだろうけど、一定のテンションで優しくていい加減なのほんとそれでいいと思う。空気読む国民性だしファミレス的、マニュアル接客なんて意味も考えず覚えてわりと得意なんだろうなと思うよね。ああ、やってるのか。やってるけどだんだんやらなくなってまぁいいやってとこ辺りからのタイクオリティ。まさに好い加減だね。
その後 「とんがらし!姉ちゃんとんがらし!」って大きな声を出す人がいて、フロアリーダーみたいな女性が聞こえてるのに聞こえないふりして他の人に全部指示出した後、ゆっくりとその人に向かって「だいじょぶ、ちょっとまって」っていなしてたのが良かった。とんがらしの国に来て絶対七味とのたまう男に「そこに食べるラー油とかありますよ」って私が言いたくなったんだけど、お盆に乗せられうやうやしくちゃんと七味出て来ました。勝った!らあめん亭、やるな・・・日本のおじさんのニーズを理解して裏切らない。このタニヤで生き残って行く術を目撃した。
よーっし、チェックビーン!って席を立つ時「俺ここもつから」「いやいやいやいや」「いいよ俺払う。夜おごって」(爆笑)「夜おごって」(大事な事だから2回言いますね)よーっこらしょーって元気に出て行きました。タニヤの夜は長いぜ。
立ち去った後のやんちゃなテーブルを見てモカがひとこと
「ブルガリヤ忘れてる」
ほんとだ!ブルガリヤヨーグルトがワンパック置いてある!
ラーメン屋のテーブルに忘れ去られたヨーグルト。
日本のおじさんは健康志向がツボってちょっとハッハ↑って笑ってしまったよ・・・
よし見習う。
わたしも伝わることを疑わずに迫力で押す。