がん2周年
ふっとやる気になってままかの商品をアップした。
サーバーにデータを送りながら、あ~っと思ったんだけど丁度一昨年の6月初旬にわたしは癌になったんだった。ぴったり2年経っていた。
本当に申し訳ないほど元気な癌患者のくせに、ビックリするほどやる気がなかった。つわりがひどくても双子が産まれても、16年休まず続けてきたアップがぴったり止まって2年。ネットショップっていうのは放置そのまま継続になるので、頑張らなくても存在だけは出来るわけ。でもなんとなく線を引きたい気持ちもあって、ちゃんと閉じようかなと思ったりしていた。先日、お客様のお取り寄せ商品を引き取りに行って、なんとなく買い付けもしてそれにアイロンかけて撮影して画像処理してページつくった。さらっとね。どれもこれも想像したくない程いやな作業だったのに、さら~っとやりおった。これは・・・復調?てか、な~んだ実はダメージあったんじゃんって改めて思いますた。ずいぶん長く疲れてたもんだ。
歩きだせばなんとか、もう少し続けられるかも知れないな
と、思って久しぶりにお客様へMLも発行しました。
うざかったらすみません。
ところで皆様、映画「La La Land」はご覧になりましたでしょうか。
女優の卵とぱっとしないピアニストのお話。
人生は、大きくハンドルを切る場面がいくつもあって、どうしてそっちに行ったんだろうこんなはずじゃなかったのにってことが必ずあるわけです。スターになると言う大きな夢を叶える為に、捨てるもの忘れていくもの選んだもの、それが自分にとって何だったのかと振り返ります。この結末に2人は納得したんでしょうか。後悔したんでしょうか。お互いが望んだものを手に入れ思わぬ再会を果たした時に、もう言いたい事がたくさんあって、でも二度と寄り添う事は叶わない互いの状況を確認しそれぞれ自分の世界へ収まっていきます。若いころから私にとって自己実現は、ずっと実現しないものとしてそこにあり、常に「何かにならなくてはならない」という強迫観念がありました。今でもまだ何かになれた気がしていません。でもラストの「もし私たちが自己実現でなくふたりで生きる事を選んでいたら」という妄想シーンで、私は気付いたんですよね。私が夢とか自己実現とかそういう事を達成できないのは、常に目の前のことを選びとって来たからです。今までそれは流されていく日常の様に思っていたけど、実はそういう後ろ向きなことでもなかった。庭で子どもを遊ばせて買い物に行って洗濯してっていうつまらない日常をくりかえす、それを他でもない「あなたと」共にあることを私は選んでいたんです。映画の中の2人が共にいることを諦めて尊重し合いながら別の道を選んだ事が、わたしは歯がゆくて仕方がなかった。笑いながらふざけながら歌ってピアノを弾いたかわいい時間が泡のように消えてしまうことが耐えられなかった。そう耐えられないの。わたしは死に物狂いでそれを守る方を選ぶし、そうして生きて来たのでした。
あたしは選んでここへ来た。自己実現と言う青春の呪縛とさようならしたからか、涙が止まらなくて困った。
こんな風だから、たぶん死ぬまで私は何者にもならないのだろう。納得した。素敵なものを選んでここにいます。わたしはそれがない方が生きていけないんです。もしスターになるなら、これを手放さずしてなってみせよう!ハハハ
小さい癌細胞だけど、いろんなことを教えてくれます。
ありがとう。癌2周年。