小事争論 こじ

アジア服・南国よろず屋ままかのボス。まだときどきちゃぶ台をひっくり返したりするけどだいぶ穏かになりました。

あけましておめでとうございます。

いつもうちの子供達が挨拶を交わす仲良しの魚屋さん。

注文しておいたお刺身の盛り合わせを取りに行くと

「2~3人前なら4千円位かな~」と見積もってもらっていたのに

なんと2300円で用意してくれていた!もちろん内容はそのままに・・・。

ピカピカぷりぷりのお刺身がずっしり。

「あんた達はもう来年これは食べられんけん、大マケだよ!」って。

その心づくしの美しいお刺身がテーブルの真ん中に鎮座したとき

食卓だけでなく私の気持ちもわかに華やぎ、とても嬉しくなって

本当にお正月がやってきました。

その時に初めて気が付いたのです。

「ああ、我が家がやっていた仕事はこれであったか」と。

「奉りに魚はこんなに重要であったか」と。

魚屋さんには内緒にしていますが、私は魚屋の娘なので暮れの辛さ忙しさ

そして引き換えて有り余る喜びは誰より知っているつもりでいます。

小雪がちらつくと見ていられず、ついアツアツのお饅頭を届けてしまう。

本当に冷たい仕事です。

魚屋は「美味しかったよ!」と言われるその最高の賛辞ひとつであの寒さを耐え、

翌年も同じことが出来る。

耐えるのが「暮れ」

解放が「大晦日」

31日の夜に入るお風呂は爪の先までビリビリ痛かった。顔は火照って焼けたようだし、

まぐろの脂は指のひび切れに入り込んで真っ黒になり幾晩過ぎてもなかなか取れない。

それでもとにかくその日はやっと解放されて嬉しく、紅白を途中から見て翌日は昼まで

寝るのが唯一にして一番の楽しみ。

大晦日にいつ何を食べてたかなんてあまり覚えていないくらいだ。

しかし丁度その頃、耐えて作ったお刺身やおせちは一年を跨ぐにあたって

げに大切な仕事をしていたのですね。

家族揃った暖かいお部屋、誰も見ていない紅白、お父さんのお酒と大笑い?

そしてその食卓にある色とりどりのご馳走の中で、お刺身のなんて重要な!おせちも!

プロデュース側でありながら、大晦日の食卓や入念に用意された正月を迎える事は

なかったもので知らなかったのです。

素晴らしい食べ物は気持ちを春にして、労い、癒すんですね。

そんなことを教わりました。

そしてそんな仕事を今更ながら誇らしく思います。

二度とやりたくはないですけどね(笑

それに考えてみればその頃が家族にとっても一番いい時でした・・・。

でもやっぱり二度とやりたくはないですけどね(失笑

いやはや、お正月らしい、お正月です!

そして今朝から街道には人っ子一人見当たりません。

今年は福岡風のお雑煮を作ってみました。

鳥やしいたけ、焼きアゴ、するめなどのお出汁たっぷりの透明なスープに

かつお菜と言う風味のある青菜や根菜類を入れて水煮した丸餅を入れると言う

栄養&気合ばっちしなお雑煮。

もちろん私のはうわべの模倣物なので、地元の方にはお味見させられないけれど

ひとまず美味しかった!

元旦からここを覗いてくださっている奇特な!暇な!王道の正月!の皆様・・・

あけましておめでとうございます

ままかも皆様に暖かい春をお届けできる様なお店になれるよう

商店街精神を忘れず、今年も日々邁進して参ります!

今年もどうぞよろしくお願いします。