親指姫の気持ち3
その後で、
「ねぇねぇ双子、下から産んだの?」
「最近双子って多いね。なんでだろねぇ?お宅のは一卵性?二卵性?」←不妊治療か詮索。
乳を両手で抱えるジャスチャー付きで
「こんな風にさ、いっぺんにおっぱいやってんの?ほら同時授乳ってさ」
「39歳か、この年じゃきつよな~。これって高齢出産だよねぇ?
俺のお袋も俺をこの年で産んでるんだけど、年だしみっともないから
降ろしたかったのに降ろす金がなかったから仕方なく産んだんだってよ~ウワッハッハッハ」
「男二人か。じゃもう用済みだな。後は子供らが金持ってくりゃいいんだ」
「でも楽でいいやー。良かったね~いっぺんにでかくなれば
面倒ないし金も倍入ってくるもんな」
仕事の後の罪のない世間話をしてるつもりなのか、
なんだかすごくリラックスして話し続ける院長。
このいろいろハラスメントがまた長い、長い。
親指姫はヒキガエルに拉致されて毎日泣き暮らすのだが
私は見た目がどうでも中身は結構良い人かもしれないのに
そんなにカエルを拒絶しなくたって・・・・と思っていた。
まぁ拉致されて喜ぶ人はいないけど、幼心に醜いから
拒絶ってのはちょっと厳しんじゃないかと思っていたのだが、
今日本物のガマガエルと渡り合ってみたらば親指姫の気持ちが
ちょっと分かる気がした・・・。
う~ん、こいつと比べちゃガマガエルに悪いか。
病院を出て薬屋に向かう途中でここの患者さんとすれ違った。
またキャラ入りのスウェット上下で自転車こいで、どうやら
コンビニの帰りらしい。
なるほどここはある種の親父さん達が何かの為に検査入院したり、
安静をとったりする高級な病院なんだな。
これまた行徳スタンダードだけど行徳ダークサイドでもあるのだ。
ガマガエルの指示で風邪が治るのが嫌だった私は
翌日鼻づまりの子供らも連れて耳鼻咽喉科の先生のとこへ。
先生曰く、鼻の裏、アデノイドまで炎症が起きて
化膿してかさぶたになり、それが剥がれ落ちて
また赤くなってそりゃそりゃ酷い状態だとかで。
いくらなんだって子供にうつらないわけがないから
マスクをしてつばを飛ばさないようにと強く言われた。
一刻も早く治さなければいつうつしてしまうか知れないと
一生懸命薬を飲んだ。
そして今度は乳腺炎。
自覚症状は、あ、ちょっとやばいかも・・・の
うちに助産院へ行ったので軽いもので済みましたが
原因はやはり多量の薬らしい。
別にガマガエルのせいで風邪を引いたわけではないのに
一連の出来事がガマガエルの呪いの様な気がしてならない。
熱でフィルターがかかっていただけに
果たしてあんな酷いこと言われたのは本当だったのか?
本当にそんな事があっていいもんなのか?
他にも誰かあの悪の権化を見ましたか?みたいな、
全体的になんとなく童話的な数日間だったのでした。
ただ確かにあの病院はいまでもそこにありますが
なくなったことにして見ないようにしています・・・。