小事争論 こじ

アジア服・南国よろず屋ままかのボス。まだときどきちゃぶ台をひっくり返したりするけどだいぶ穏かになりました。

強盗を説得

松本市の小さな郵便局に、若い男が刃物を持って押し入ったが 女性局員に説得され、何も盗らずに逃走。 遅いお昼を食べながら、みのを見ていたわけだが 「いや~心温まるねぇ」「面白い話だねぇ」くらいの軽い調子で このニュースが受け流された事に違和感。 幼児虐待に息巻いた後、これには素通りに近かったみの。 私にはとても近い話に思えるのですが? そりゃあんた、観てる番組が悪い。たしかに。 でもあの番組は日本の良い所と悪い所の集まる場所。 光と闇が戯れひとつになるスピリチュアルスポットですから。←! その女性は何歳くらいの方なのか。 どんなテンションで話をしたのか。 最初に切り出した台詞はなんだったろう。 いろいろ想像するが、いつだってニュースってのは知りたいことを何も教えてくれない。 お金なんて自分のじゃないんだから、死にたくなけりゃぁ、とっととくれてやればいいんだ。 「思い直した方がいい、と女性局員は言った」とニュースは伝えたが、 そのセリフ、やっぱり彼女はお金を守るためだけじゃなく、ちょっとは本気でその若造の未来を思って言ったのではなかろうか。もちろん切実に生きたい、と自分の未来をも思っての、賭けでもある。 自分だったら・・・怖い怖い、ただ怖い。 さっさと被害者になりきってしまうだろう。 相手がまだ犯罪者になりきれていないうちから・・・。 たとえ彼がナイフを持っていない強盗でも、多くの人が犯人と言葉を交わすことは考えないんじゃないだろうか。 そして彼が犯人ですらなくても、私達は若造に向かって「やめなよ」と言うことをとても恐れている。 自棄を起こしてブスッといってしまうのが近頃のシナリオ、触らぬ神に祟りなし、と。 押し入るぎりぎりまで悩んでいて、本当は誰かに止めてもらいたかったのなら、説得の内容なんかどんなことでもいい、「やめろ」言われるだけで、きっと若造の心に沁みたろうな。 その「迷い」を彼女はいつ見抜いたのだろうか。 手が震えていたんだろうか、声が上ずっていたんだろうか そんな若造が、あまりにもかわいそうに見えたんだろうか。 わたしが彼女なら、なんて言うか。 ニュースを聞いている間、その女性の年齢やその場の様子が気になって仕方なかったのは、私もついに、どう考えても「注意される若い人」から「注意するおばさん」になってしまった、と言う自負からかもしれない。 ああ、どうかそんな場面に出くわしませんように、と思いながら、 大人が普通に子供を言い負かしてやれない世の中なんて、子供がかわいそうだ、と鼻息荒く思わずにはいられない。 ああ、でもまだちょっと待って。 もう少しこのババ芽を育ててからね。